interview
インタビュー
公認会計士を目指したきっかけを教えてください。
私が公認会計士を目指した理由は、いくつかありますが、主たるものは実家が会社を経営していたことにあると思います。 商売にどっぷりの家で育ったためか、大学に入学すると、法学科に進学したにも関わらず、経済学科の授業も興味がありました。 そこで、大学に入学すると、経済学科の授業をいくつか受けていました。 その中で一番面白かったのが、会計学-特に原価計算と管理会計でした。 大学に入って、始めて会計学という研究分野があり、会計が経営を数値で表し、経営するために必要で有益な情報を提供できるものである、ということを知りました。この会計学を勉強しているときに思い出したのは、私の実家のことでした。 父は経営をするに当たって、それなりに数字を読んでいるのですが、分析は出来ていませんでした。 「もし、管理会計と原価計算を駆使すれば、もっと経営がうまくいくのでは無いか?」 「なぜ、うちの顧問税理士は数字を扱っているのに、実家の経営に有益な会計情報や分析を提供できないのだろうか?」 「数字の分析をもとに、いろいろと知って相談したり提案できることもあるのでは無いか?」と、勉強しながら思いました。 こういう会計学の知識を通じて、企業経営に役に立てる仕事ができないか?と、考えて会計専門家の仕事を志すようになりました。最初は、税理士受験を考えていたのですが、いろいろ会計専門家の分野を調べていくと、公認会計士という職業を知りました。 公認会計士は、文系資格で司法試験と並ぶ最難関資格の一つであるけれども、会計専門家の分野でも幅広い知識と経験が得られる仕事であること、そして公認会計士資格を取ると税理士資格も取得できると知りました。 そこで、どうせとるなら難しい試験にチャレンジしようと考え、公認会計士を目指すことにしました。 私の大学では、公認会計士を受験し合格している学生は、10年間はいなかったと思います。なので、受験するという話を聞いた周りの友人たちはかなりびっくりしていました。 その後、大学4年生から受験し、受験2回目で合格できました。 試験合格自体はそんなに難しくはなかったのですが、合格して監査法人に入社してからの方が、現場でかなり鍛えられて、苦労しました。


この仕事をして嬉しかったときのことを教えてください。
公認会計士として監査法人で監査業務を8年しました。 監査法人時代は、いろいろな大企業に監査に行き、多くの経験と知識を身に着けさていただきました。 その後、監査法人を退職し、地方の税理士法人勤務を経て、35歳の時にいちご会計事務所を設立し独立しました。 この仕事をしていて嬉しかった時は、「おかげさまで、会社がよくなりました」とお礼を言われたときですね。 企業再生の仕事などで関わっていた時などに、このように言われてこの仕事でよかったなと思いました。 そもそもの公認会計士を目指した理由というのが、会計専門家の知識をもって、実家のような中小企業の経営者の経営を支援していくことでした。 これまでの公認会計士、税理士としての経験と知識を駆使して、経営への助言をしてお客様の会社経営が良くなり、「先生のアドバイスのおかげです。ありがとうございます」とお礼を言われる事が嬉しいですね。

現在の仕事にどんなこだわりを持っていますか?
私が仕事を始めたころ、我々の仕事で大事なことは、企業の課題に対してソリューションを提供する事だけだと、考えていました。 しかし、仕事を進めていくうちに、それだけではないこと、もっと前提として大事なことがわかってきました。 それは、お客様に寄り添うことです。 まずは問題解決の前に、お客の気持ちや不安に寄り添うことが必要だということです。 これが無ければ、問題の本質に気づく事ができなかったり、よい提案をしても採用や結果に結びつかなかったりします。 本当の解決は、お客様の立場に立った気持ちになり、そのうえでのソリューションの提供と思っています。 また、私がこだわりに持っていることでもう一つあります。それは、人間尊重の経営です。 人間尊重の経営という考えから、弊所では、各社員の希望する働き方や目標、生活というものを聞き、できるだけ経営において実現できるように、実行努力をしています。 労使は、人格として対立する立場ではなく対等の立場にあり、ともに協力して経営し、事務所の経営理念を実現してゆく、存在と考えています。 人間尊重の考えを忘れた企業は、企業の利益を優先する企業となってしまいます。それが、今の企業で問題になっている過労死や数値偽装、リコール隠しなどの問題につながっていると考えます。 弊所では、このような企業とならないようにしようと、こだわりを持って経営しています。